〔214〕一切経山(1,949m)

2007年10月05日(当時58歳)


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福島県福島市土湯温泉町
前日の移動
  天気待ちで9月の3連休を二つもパスしてしまった。 東北まで遠征出来るのは
この10月の3連休だけである。 前夜に自宅を出発して北陸道を走っていると
ワイパーも効かない大雨となり、天気を気にしながら走り抜ける。
Road Map :名神高速〜北陸道〜磐越道の高速をフルに走り、猪苗代磐梯高原の
            ICを降りてR115から有料道路の磐梯吾妻スカイラインに入る。
Route Map:兎平の無料駐車場から一切経山〜鎌沼〜東吾妻山〜吾妻小富士を巡る。
標高差:350m
日本百名山』      西吾妻山は展望の無い山頂であったが、東吾妻山はガスで展望を得られなかった。
日本三百名山』   一切経山より 五色沼のコバルトブルーに魅了された。
磐梯吾妻スカイライン〜兎平駐車場
  前日からの運転は途中のSAで30分と1時間の2回仮眠しただけでスカイライン
に着いてしまう。 料金所で通行料を聞き 「高いなぁー」と冗談交じりで話しすると、
「神戸から来たのなら今日は霧で何も見えないし半額にしとくわ」と言ってくれた。
しかし、チケットをくれなかったのでこれって体の良い横領では? 登山口である
ビジターセンターの駐車場は有料で410円取られるので、少し手前の兎平駐車場に
車を停める。 ここまで霧が立ち込めており何も見えないので一寝入りしようかと
思っているとどんどん霧が無くなりお陽さんが顔を出してきた。
  寝ている場合ではない。 朝飯を食って7時50分に出発する。
東吾妻山(1,975m)
  分岐点から東吾妻山往復:1時間09分
吾妻小富士(1,707m)
  登山口からお鉢周り:41分

〔020〕東吾妻山(1,975m)

吾妻小富士(1,707m)

一切経山(1,949m)
  ビジターセンターから山頂まで:1時間12分
【 吾妻小富士 】
【 東吾妻山 】
【 一切経山 】
  今回の遠征目的は大朝日岳の百名山消化ではあるが、大朝日岳より
実は一切経山に惹かれていた。 火山性の山であること、標高2千m
近い山ではあるが、登山口の標高が1,575mあり、楽に登れること
である。 又、隣接する吾妻小富士も簡単に登れて面白そうである。
昨夜からの土砂降りで路面は濡れており、山頂にはガスが濃く
掛かっていた。 仮眠をしようとしたが、ガスがどんどん
流れて行くので早々に登り始めることにした。
  無料の兎平駐車場は有料のビジターセンター駐車場より歩いて
約10分、900m離れたとこにある。 有料駐車場は普通車410円な
ので複数人数乗っていて割り勘出来る時には有料駐車場の方が何かと
便利かと思います。
道路を少し歩き、”浄土平”の湿原に掛かる木道でショートカットしようとしたが、登山口に
近い木道が壊れており通行禁止になっていた。 しかたなく一旦ビジターセンターまで廻る。
花時としは季節外れで平日なのに結構多くの人が来ていた。
観光化されているので何やら説明板が多い。
硫黄臭はするが噴煙の無いのが残念。
(画像をクリックで拡大します。)
木道をビジターセンターまで出て、Uターンする様に左奥の登山口に
向う。 今、見えている山を ”一切経山”と思っていたが
       ”一切経山”は更に奥のガスの中だった。
乗っけからガラ場の急登であり息が切れるが、
高山帯の様な遮る物のない展望はこの山の大きな魅力だ。
  登山口にポストがあり、例によって ”熊に注意”の表示があった。
         登山道は左の尾根筋を登って行く。
  更に尾根を登り振返ると更に大きな火口跡の ”吾妻小富士”が大きな口を開けていた。
       今日は絶対に ”吾妻小富士”のお鉢周りを済ませて帰りたい。
下からはよく判らなかったが尾根を登って行くと火口跡が大きく開いていた。
景観が近過ぎて広角28mmでも入り切らない。 3枚の写真を繋げて細工した。
尾根筋を登り切ると穏やかな道となり ”吾妻小富士”とはまったく対照的な穏やかな景観が広がる。
”一切経山”登頂の後には避難小屋側に下り、酸ヶ平から鎌沼に行く予定。
”東吾妻山”は薮山に見えるが、折角だから登って帰る予定とする。
1時間ちょっとで ”一切経山”(1,949m)の山頂に着く。
天気は朝の空模様から信じられぬ程良くなったが、
気温6℃で風が強くやたらと寒い。
登山道は穏やかな広々とした道となり、散策気分で歩ける。
前方中央が ”一切経山”であるが、なんと貧相な山頂か。
今日のハイライトは ”五色沼”と思っていたが、期待通りに凄い色合いを見せてくれた。
時間によって色合いが変わるらしいが寒いのでそそくさと下山する。
  山頂には先行者2組が居た。 2組とも防寒ジャンパーを着ており
 ”寒くないの?”と聞いてきたので ”寒いです!”としか答え様が
         なかった。 上着を出すのが邪魔臭いだけです。
建屋もトイレも綺麗な ”酸ヶ平避難小屋”に着く。
”避難小屋”から少し降りると ”浄土平”からの道である分岐点に
         出る。 左方向の ”鎌沼”側に針路を取る。
  進行方向をみると見事な笹原が広がっている。
関西の2mを越す笹原と違い30cm以下の
背丈しかないので、雄大な景観を見せてくれた。
木道を進んで ”避難小屋”を振返る。
”一切経山”はどこから見てもしょぼい山容であった。
木道を突っ切ると ”鎌沼”に出た。 奥に見える山は ”東吾妻山”であるが
”西吾妻山”と同様、登りたいとは思わない山容だ。
  黄葉、紅葉は進んでいる樹木もあるが、まだ少し早い感じであった。
”鎌沼”から見る ”一切経山”は少しは山らしくなってきたが、
とても二千m近い山には見えなかった。
”東吾妻山”への分岐、登山口に着く。
絶対にしょうもないと思うが、そのしょうもなさを
確認に登ってみる。
昨日からの雨で登山道には水が流れ、樹木が生茂り景観は
まったく無し。 只、水溜まりが多い割には泥濘は無かった。
ガスで何も見えないが”東吾妻山”(1,975m)の山頂は展望が
良さそうな感じである。 この先の展望所なるものがあるらしいが、
行ってもガスで見えないだろうから直ぐに下山する。
山頂より少し手前でハイマツの高山帯になる。
さっきまでの天気と打って変ってガスが立ち込めてしまった。
下山時に見た紅葉。 それより針葉樹が強風の影響を受けたのか
全て右向きに流れて育っているのが面白い。
何も見えず撮るものも無いので、僅かな黄葉を撮っておく。
”東吾妻山”からの下山途中で見たたおやかな ”一切経山”(左)
十字路の分岐に戻り ”浄土平”に向けて木道を歩いて行くと結構な紅葉と黄葉が見れた。
本当に気持ちの良い湿原であり、お花の時期に来てみたいものだ。
             フラットな木道も終り、浄土平に向けて大きく下っていく。
と言っても遊歩道的で大した傾斜ではない。 次に目指す ”吾妻小富士”が待っている。
             振返ると ”東吾妻山”のガスが消えていた。 嫌がらせか!
”吾妻小富士”へ登り切ると背後(だけではないが)に大展望が広がる。
ここを基点に右回りでお鉢を一周してみる。
平日とは思えないほど沢山の観光客が登りに来ていた。
息を切らすメタボのおばちゃんやハイヒールのおねーちゃんやらで様々である。
ちょうど草津の ”湯釜”に良く似た観光スポットだ。
最高点は丁度反対側に見えていた。 こう言う殺伐として荒々しい景観が大好きだ。
火口壁を歩いて行くと刻々と景観が変わっていくのが面白かった。
最高点には表示が何も無くがっかりする。
かつてのそれらしき跡だけがあった。
しかし、火口の内側を見ても外側を見てもすばらしい展望だ。
火口壁の東側に行くと福島の市街が一望出来る大展望となる。
ここから見る ”安達太良山”は山容が変わってしまっているが、
乳首部分ははっきり現認出来た。
面白い山だった
  明日の ”大朝日岳”のロングコースに備えて寝不足でも登れる山を選んだのだが、変化が多く楽で
面白い山だった。 まぁ、”東吾妻山”は登らなくても良かったかなーと思うが、多分、二度と来ないの
だから登っていて正解だったと思っている。
今日の温泉
  値段で決めていたのだが、スカイラインを福島市側に抜けたところにある高湯温泉の ”あったか湯”に入る。 入浴料は250円でありその安さから想像できたが石鹸、シャンプーのたぐいは無し。
  この時の為にマイシャンプーを用意している。
源泉から硫化水素ガスが出るとかで、浴室は開放された半露天風呂のみ。中々良い温泉でした。(安けりゃ何でも良い)
大朝日岳の登山口、朝日鉱泉に移動する
  長井市を抜けて勝手知ったる道を朝日鉱泉に移動する。 明るい内に着くことが出来、心配していた駐車場もガラ空き状態だった。
  これまで二度もこの駐車場で車中泊していながら、今回初めて ”大朝日岳”を見ることが出来た。 ピラミダルな格好いい山容をしている。
後で知ったことであるが
  この ”一切経山”が岩崎元朗氏選出の「新日本百名山」に選ばれているらしい。 個人的な思いではこの新日本百名山が大嫌いで ”藻岩山”のページに何が嫌いかつらつらと書いている。
10/05 10/06 10/07
一切経山 大朝日岳 祝瓶山
2007年の東北の山遠征
山頂の標識を見ながら穏やかな斜面を登って行く。
高湯温泉共同浴場 「あったか湯」 で汗を流す。
ザックをデポして登って行く若者、空荷で登って行くジジババ軍団。
”吾妻小富士”は山歩きの対象ではなく、休火山の観光地と化していた。
火口の底へ行ってみたかたが、道が無く急斜面なので諦める。
火口壁を左周りに歩いて行く。 アップダウンは殆ど無い様だ。
”浄土平”に戻って来て、ここから ”吾妻小富士”に登って行く。
2023年10月14日改定